漫画アプリ・ピッコマにて連載中の「バトリの息子」
中世ヨーロッパの時代に、人喰いとして生まれた若者ミゲルを始め、彼にまつわる色々な人物の人生を描いた群像劇です。
内容的にはダークファンタジー系です。また鉄の処女という拷問器具で有名な、何人もの女性を拷問し処女の血を浴びるという猟奇的な事件を引き起こした実在の人物、エルジェーベト・バトリが母親という設定。
完結済みの作品です。
前回のあらすじは、ついにビロを殺し仇を討ったミゲル。帝都は反乱軍に落とされ、フェレンツの護衛たちはキイラが倒した。全て終わったのだった。
詳しくはコチラにてまとめてあります
漫画「バトリの息子」最終話83話のネタバレ
夕日を眺めるミゲル。
母の言葉を思い出す。美しい世界の裏には醜悪なものがると。
子供の頃の自分には、ただ外へ行かないように脅かすための言葉だったが、それが母が自分を見る目のことだったと、今になってわかった。
息子だから愛おしいけど残酷な過去を思い出させる存在。母にとって、自分は災いだったのか、祝福だったのか。
母はそれでも明るい道を選んだ。ミゲルにはよくわからなかった、どうしてこんな風に生まれるしかなかったのか、
後ろで聞いていたキイラは、悲しいわねと同調する。
でも今のミゲルにはどうでもいいことになったと彼は言い、子は親に似るように、自分も明るい道を選ぶと話す。
この能力で何ができるか、どう生きていくのか、未来を変えていけるのかを確かめたいのだと。
そして一緒に行かないかとキイラを誘う。
キイラもまた、人間、魔女の異種同士がお互いにわかりあえる未来を探していた。彼女も明るい道を選んだ。ミゲルとともに。
光に向かって歩いていくのだ、生きるのだ
今後のことを話し合うマンフレッドとミハユらの所、手当を必死に行うアメリエの所を風が駆け抜ける。
流れていく時間の中で、たとえそれが望まない状況でも、少しは変われると思いながらより良い選択をしていく。
─崖に立つ妊婦のエルジェーベト。望まない子。このままここで命を絶ったら楽になれるのだろうか。
突然耳元で誰かが囁いた気がし、振り向くと青い蝶が飛んでいた。
時間はどんどんすぎ、お腹もどんどん大きくなっていく。
この子はただの冒涜で、罪で、癒えない傷だった。
それなのにどうして、いざ死のうとしてもためらってしまう。
さらに首をつろうとしても、縄が切れ落下する。
キヨムの仕業なのかと、こんなになってまでまだ生きろというのかと、お腹を叩こうとする。
しかしお腹が動いていることに気づく。手を当てると、お腹越しに子供の手があるのだった。
私に向かって差し出される救いの手を払えなかった。
苦しむために生まれる命などなく、こうして鼓動しているのに、きっと大丈夫、君が望むように生きていけるさ、とキヨムの言葉を思い出す。
この子は生まれることを強く望んでいる。たとえ愛されないとしても。
キヨムのいない世界を、この子と共に生きていけるだろうか。
そして生まれた息子は、誰よりもキヨムに似ていた。
エルジェーベトを苦しめるだけの息子は、自分を戒めるかのように怪異な特性を持っていた。だがそれが、彼女がミゲルを呪ったせいかもだなんて言えなかった。
お互いを傷つけるが、お互いが生きる理由になってしまった歪な関係。
自分に似た息子、そんなミゲルを愛せずにはいられなかった。
─生まれたばかりの赤子に、名前はどうするか聞かれるエルジェーベト。
ミゲル、ミゲルにするわ、と答える彼女の顔は愛に溢れ優しく微笑むのだった。
漫画「バトリの息子」最終話83話の感想
まとめるのが遅くなってしまいましたが、ついに完結しましたね、バトリの息子。
途中、作画の方が変わったのか、やたら手が大きくなったりして不安になりましたが、無事完走できたようで良かったです。
やはりフェレンツが死ぬと物語が終わってしまうのですね。彼はこの物語の裏主人公でした。彼なしには成立しない話ばかりでしたものね。
エルジェーベトが、ミゲルを愛しているわりに冷たい理由もよくわかりました。背景が背景なので、とても葛藤した上で前に進む覚悟をしたのですね。
ミゲルは長年謎だった、自分がこのように生まれてしまった謎を理解することが出来ました。過去は解決し、これからは未来へと進む時期のようです。
そして彼は1人ではなく、キイラがいます。どちらも人間ではないので、何か折り合いがつくような安住の地が見つかるといいですね。
それではここまで読んで下さってありがとうございました
バトリの息子を検索してたらたどり着きました。本編は面白いんですがちょっとわたしには難解なところがあって「?」ってなってたんですが、こちらのサイトでうまくまとめていてそういうことだったのか!と理解できました。本編読んでこちらのサイトを読むのセットにしてます。感想含めて読むの楽しみにしてます。ありがとうございます。
かごめ様
コメントありがとうございます。
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