カイマンと話す最後の夜だったと語るニカイドウの悲しい告白。この先どうなってしまうのでしょうか。
ハルから借りた名前で魔法被害者向けの医療を行うカスカベ博士。そこへ博士の本を読んだとアイという少年が訪ねてくる。アイは魔法使いになりたくて博士を頼ったのだった。アイの期待を裏切らず博士は魔法使いの死体を使って研究をしており、アイは診療所で手伝いを始めた。アイは何故魔法使いになりたいのかと言うと、この町で生きる理由が見つからないと言う。ある日町内会が生きてる魔法使いを捕まえたとの情報があり、博士とアイは現場へ急ぐが、ホールの汚水廃水、魔法使いの死体が混じった危険な湖に捨てられてしまう。アイは自分の身を顧みず飛び込んで拾い上げたが、内臓まで汚水に浸食され生死が怪しくなった。アイは机に入ってるノートに目的の手術を記しており、新しい魔法使いの死体で完成すると言う、そしてそれをカスカベ博士に頼む。カスカベ博士は無理だと思いながらも手術を応じ、成功しアイは生存する。201日経過しアイが外出すると死体となって見つかった。そして現在、カスカベ博士はホール自治会でアイ・コールマンのプレートがリビングデッドデイで回収されてるか調べ、未回収だったのであの蝋人形はアイの顔だとわかった。
恵比寿は記憶が戻り自宅へ帰ろうと地下鉄を待っていた。藤田が心配してついてきたが恵比寿は無視をする。以前の恵比寿はかわいらしい格好をしていたので、今のガイコツ姿ではまずいと思い着替えようとするが、まともな服がない。だが変な服は煙の屋敷での思い出が詰まっていた。恵比寿は藤田を撒くためにブラックテントという店の悪友のフーを頼り逃げる。藤田はフー等に追い詰められるが、煙ファミリーの証であるキノコを見せつけなんとか脱する。恵比寿はやっと自宅へ戻る。
心や先生はコールマンと屋台で食事をしながら博士を待っていた。博士がジョンソンにまたがって戻ってくると、アイがやはりあの蝋人形だということを皆に伝え、まだ魔法使いの世界で生きているかもしれないと言う。博士はアイを探すため魔法使いの世界に戻り、ハルに手伝ってもらうと言い、心と能井、ジョンソンと共に戻っていった。
ひとり眠れないカイマンは外を散歩し、黒い粉が自分にも使えるか悩んでいた。使えれば魔法使いということだからだ。だが使い方がわからない。そこに自販機の小銭を漁る毒蛾と鉄条がおり、目の十字模様を見つけたカイマンはナイフを握りしめ近づこうとする。しかし二人に気付かれ刀を当てられる。そこでカイマンは栗鼠の友達だから会わせて欲しいと毒蛾に頼む。
倒れて寝込む煙の所に心や能井、博士らが戻り、さらにニカイドウらしき人物の目撃情報が入り、煙が覚醒する。
覚醒した煙は鳥太をキノコにするとニカイドウのもとへ向かう。ニカイドウは胸騒ぎがして、いつのまにか布団から抜け出たカイマンを探し始めていた。
その頃藤田は周りの人に尋ねながら恵比寿の行方を追っていた。恵比寿は自宅の呼び鈴を鳴らしたものの、でたのは以前の自分がかぶっていたマスクをつけた恵比寿もどき。突き飛ばし中に入るも両親はいない上に、恵比寿もどきのマスクの下も恵比寿そっくりで追いかけてくる。逃げる恵比寿をばあやがかくまう。ばあやが言うには、恵比寿の両親は恵比寿が行方不明になったことであまりの悲痛から娘のコピーを作る魔法使いを頼ったそうだった。だが見た目が同じなだけで中身は得体のしれない怪物、いきなり暴れだすのだそう。恵比寿の両親は恐ろしくなりどこかへ逃げたそうだ。ばあやは行くところがなかったため残っていたと話すと、コピー恵比寿が突然ばあやを殺害する。さらにコピー恵比寿は恵比寿の顔が同じだと憤慨し異形になりながら襲ってくる。恵比寿はなんとか自身の部屋へ逃げ込み、隠してあった黒い粉を使って恐竜のような姿になりコピーを破壊する。藤田がようやく屋敷につきボロボロのコピー恵比寿の前にたたずむ恵比寿を見つけるが、ふとした隙にコピーに体を切断されてしまう。藤田は咄嗟に逃げようとするが、まだ恵比寿に息があるのに気づきコピーに立ち向かう。藤田は大した魔法が使えないためすぐ劣勢になり恵比寿を守ろうと覆いかぶさると、恵比寿が黒い粉を渡してくる。黒い粉を使ったら煙に殺されるかもしれないが恵比寿を守るために摂取する藤田。
同時刻、カイマンと毒蛾がいるベリス温泉にキノコが生え始め、煙が向かってきていることがわかり、慌てて逃げる一同。ニカイドウの体内に契約書が作られ始め、おぶって逃げようとするカイマンだが目の前に煙が現れる。魔法が効かないカイマンは煙を倒そうとするが、煙はキノコを物理的に当てたり武器をキノコに変えたり間接的に攻撃してくる。そして松村の仇だから苦しませ殺すと言い、飛ばしていたキノコの胞子をカイマンの体内で変化させカイマンの体を突き破った。
黒い粉を摂取した藤田はコピーの破壊に成功し、恵比寿を抱き煙に頼んでキクラゲの魔法を使ってもらうからと励ます。そして恵比寿は息を引き取った。
ニカイドウは煙に攻撃するが足をキノコに変えられてしまう。ニカイドウがカイマンのことをたった一人の大事な友人と言うのを聞くと煙は頭に血が上るが、その隙をつかれて顔が人間に戻っているカイマンに殴られる。カイマンは内臓やキノコが飛び出したままだが、殴られてさらに頭に血が上った煙とやりあおうとし、ニカイドウがかばう。辺り一面キノコになったせいで建物が崩壊し、カイマンは落ちていく。餃子食いたいなクソっと言ってカイマンは死亡。そして体から栗鼠の呪いが出て、オレではなく他者から殺されてしまったと呟いた。
やっともとに戻れたんだなと薄れ行く意識の中で、ニカイドウは一緒にホールに帰ろうと思う。ニカイドウは煙に回収された。
心とカスカベ博士はカイマンの死体を探すよう命令され、その場に残された。地下にマグマが流れており、そのわきにカイマンのトカゲの生首が落ちていた。
毒蛾らは身を潜めて煙が去るのを待っていた。そしてボスとの思い出話を話し合った。エリート魔法使いの店でボスの前に道ができ、さらにオーナーは失神したこと、仲間の仇討ちと言って魔法使いらに囲まれたがあっという間にボス一人で倒してしまったこと、魔法使いの頭から奪った小さな悪魔を何度も数えて薄気味悪かったこと、食い物に卑しいボスがハンバーガーを分けてくれたこと。そして毒蛾は皆が子供のころ、魔法が使えず盗みを働いて生き延びていたが捕まってホールに捨てられそうになったそのとき、ホール側からボスが現れ魔法使い連中を倒しドアを抜けて行ったことを思い出していた。毒蛾らはそれに吸い込まれるようについていったのだった。そして次第に魔法の使えない者たちが集まっていったと言う。得体の知れない強い存在に惹かれるものは多いと毒蛾は呟く。
そして吊るされている栗鼠のもとに誰かが来る。
魔のおまけ
チダルマの日常のお話です。
重要人物アイの話が出ました。アイが全ての始まりですね。殺されても復活できるのが特徴なのでしょうか。発売されたのが2007年なのでもう10年以上も経っていて思い出せないレベル。診療所出て死亡、ホールで首のない状態で死亡、心に首を吹っ飛ばされて死亡(新しい首が生える)、そして今回も死亡しました。カイマンの生首を残して。絶対復活しますよね。不死身の十字目ボス、アイ、会川、カイマン。詳しいことは徐々に明らかになっていくので続きが楽しみです。
一方恵比寿はつらい状況になっていました。両親は心が病みとんでもない化け物を娘として引き入れ、本当の娘を失うことに。恵比寿は体が割れてるのに藤田に黒い粉を渡したり、藤田は恵比寿を健気に守ろうとして悲しい展開になってしまいました。もうキクラゲ頼みですね。
十字目の成り立ちですが、団結して始まったというよりは勝手について行っていつのまにかできていたという、アイがいなければ成り立たない組織のようですね。ボスは小さな悪魔腫瘍を数えていたということで、アイが受けた手術は脳に悪魔腫瘍を埋め込むものなんですかね。ホールで手術用に複数の魔法使いの死体を集めていたことから、やはり常に魔法が重ね掛けされている体になっているため魔法が効かないと言うことなのでしょうか。では恵比寿の魔法と栗鼠の呪いはどうしてかかったのか謎ですね。呪いは魔法扱いではないのかな・・・?
ニカイドウはまたもや煙のもとに戻ることになりました。結婚相手ではなくあくまで同性同士もあり得る魔法使いの同士のパートナーなのですが、どうみても結婚相手ですよね。またニカイドウの人格が変わってしまうのでしょうか。アスがいない今、彼女はどう脱出するのか誰か助けてくれるのか気になることが沢山ありますね。
それではここまで読んでくださってありがとうございました。
また次回をお楽しみに。